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毛利 智聡; 大谷 暢夫
PNC TN9410 98-056, 72 Pages, 1998/06
臨界工学試験室では、核燃料施設の臨界安全管理に有効な未臨界度モニターの開発を進めている。これまで、重水臨界実験装置(DCA)を測定対象として、ファインマン-法による重水減速体系の未臨界度測定研究が実施され、核燃料施設で問題となる低い実効増倍率体系の未臨界度を検知できることが確認されている。ここでは、核燃料施設において一般的な軽水減速体系に対しても、未臨界度の検知が可能であることを確認するため、DCAの未臨界度測定試験炉心にウラン燃料およびMOX燃料を装荷した軽水減速体系を対象として未臨界度測定実験を実施した。測定の結果、中性子計数率の低い軽水減速体系においても、実効増倍率が0.6230.870の範囲で、未臨界度を示す値の検出が可能であることが確認された。また、実効増倍率の0.050.10程度の差異を検知できることも確認された。輸送計算コードTWODANTおよびモンテカルロ計算コードKENO V.aを用いて試験体系の値を計算し測定データと比較した。値から評価した実効増倍率の計算値と測定値の差は13%以下であり、未臨界度モニターとしては十分な精度で値が求まることが確認された。ファインマン-法が、低い実効増倍率の軽水減速体系でも未臨界度測定手法として有効であることが明らかとなった。
山本 俊弘; 桜井 淳; 内藤 俶孝*
Annals of Nuclear Energy, 25(9), p.599 - 607, 1998/00
被引用回数:1 パーセンタイル:15.02(Nuclear Science & Technology)従来の中性子源増倍法による未臨界度測定法の欠点を補うために、「計算誤差間接推定法」を提唱した。この手法は、計算で求めた実効増倍率のバイアスを、中性子計数率の測定値と計算値との差から求めるものである。このバイアスを、計算で求めた実効増倍率の補正に使うことにより、より真値に近い実効増倍率を導くことができる。この手法の検証を行うために、中性子源増倍法を模擬した数値実験を中性子拡散計算で行った。この手法によって真の実効増倍率がどの程度再現できるかが示された。その結果、この手法によって未臨界度を高精度に評価するためには、少なくとも三ヵ所での中性子反応率の測定が必要であることが分かった。
桜井 淳; 荒川 拓也*; 内藤 俶孝
JAERI-Research 96-008, 77 Pages, 1996/02
臨界集合体TCAを利用して7種類の未臨界炉心を構成し、反応度と中性子計数率空間分布を測定した。実験解析にはMCNP-4Aを利用した。中性子計数率空間分布の計算結果は、すべてその実測値と相互の誤差範囲内でよく一致している。このことは「計算誤差間接推定法」では、MCNP-4Aでの固有値問題の計算で求めた中性子増倍率は、その体系で実験的に評価した反応度から求めたものに一致することを意味している。今回の実験と計算によって「計算誤差間接推定法」を適用した計算値を用いた未臨界度の評価法の基礎技術を確立することができた。
桜井 淳; 須崎 武則; 荒川 拓也*; 内藤 俶孝
JAERI-Research 95-022, 50 Pages, 1995/03
TCAにおいて2.6%の濃縮UO燃料棒nn本を正方格子間隔1.956cmで配列して、中性子源増倍法に関する実験を行った。n=17、16、14、11および8と変化させ、異なる炉心水位の組合わせで、合計15種類の未臨界炉心を構成した。Cf中性子源を炉心中心近傍に設置し、炉心内および水反射体内の2箇所で小型核分裂計数管により垂直方向の中性子計数率分布を、5cm間隔で測定した。実験解析は、モンテカルロ法による計算コードMCNP-4Aで行った。今回つぎのような結論を得た。(1)指数実験およびMCNP-4Aで求めたkの差は、ほとんどの体系において1%以下である。(2)MCNP-4Aで50万ヒストリーで計算した中性子計数率の標準偏差は、ピーク付近でいずれも5~8%の範囲である。ひとつの炉心で規格化した中性子計数率の計算値は、実測値によく一致している。